●人材の良し悪しを決める「目のつけどころ」
   〜あなたを襲う「キャリアの脅威」〜
   こうやって“肩たたき人材”が決まる


「含み損社員」として顕在化する人事の代表的な手法の一つが、「昇格・昇進スピード」だ。

「昇格・昇進」は、毎期の人事評価の累積値で決まるのが一般的だからだ。

この手法を用いる場合には、「ある一定の年令」以上の社員全てを対象として、性別や部署や職種等には一切関係なくセレクションが行われることとなる。 

同時に、事業領域の「選択と集中」にも関係なく、個々の社員の「過去の人事評価」が軸となり、「年令」と「職能資格等級」とを複眼視して分析していけば、“優秀な人材”(「含み益人材」)と“普通人材”と“貢献度合いの低い人材”(「含み損人材」)とが一目瞭然に顕在化出来るというわけだ。

全社的に「希望退職」や「臨時立法的な早期退職優遇制度での退職者募集」の施策を採るケースによくみられる手法でもある。

「固定費に占める人件費割合」を低める目的の場合には、更に「年令」というセレクション軸が加わってくる。

「年令」が高く、克つ「人件費」が高い層が先ず優先的にターゲットにされていく。
一般的には、満45才以上で「昇格・昇進スピードが遅い」人材が“貢献度合いの低い人材”(いわゆる「悪い人材=“C評価人材”」)としてノミネートされていくのだ。

反対に、「年令」が若く、且つ、「昇格・昇進スピード」が早い人材は、“優秀な人材”(いわゆる「良い人材=“A評価人材”」)とされる。

果たして、あなたはどうだろう?

「普通人材=“B評価人材”」であるとご自身が考えているなら、それは「イエローカード対象社員」だ。
「優秀な人材」ではないことだけは確かだからだ。

北條人事部長、資料が出来上がりましたが、“C評価人材”だけでは550人に達しません。 どうしましょうか?」
山村人事課長、チョッと深刻そうな顔つきで北條人事部長に報告方々の質問。

「山村君、何考えてるんだ。 “B評価者”の中の、下位から順番にリストアップすればいいんだよ。」

「年令の割りに、昇格スピードが遅い社員が該当者だ。 資格等級別に、年令の高い順に“B評価者”を選び出すんだ。」

「その者達が“B(マイナス)人材”なんだ。」
北條人事部長の指示が飛ぶ。

この実例が示す通り、「普通人材」であると安心していてはこれからの時代においては駄目なのだ。

ドンドン優秀な若手に追い越されるかも知れない。
「間断なき『悪い人材=ローパフォーマー人材』の社外放り出し策」によって、いつ、どんな拍子で「役に立たない人材」のお仲間に入れられて、「肩たたき」にあうかもしれない。 
これからの時代、自身の危機管理をシッカリとしていくことが大切なのだ。

自分の人事評価に鈍感では話しにもならない。
人事評価を常に意識して努力をしていくことが何よりも求められる時代だと言いたい。

この「構え」を持っているかどうかが雇用不安定時代に「克つ! サラリーマン」になれるかどうかの一つの分かれ目でもある。
一般的に、「普通人材」のゾーンは広い。
限りなく「優秀な人材」に近い「普通人材」もいれば、反対に限りなく「役に立たない人材」に近い「普通人材」もいるのは事実。

“限りなく「役に立たない人材」に近い”と内心考えているのであれば、将来確実に、「役に立たない人材」とともに「肩たたき」にあうと思ってまず間違いはない。

会社にとって、居ても居なくても関係がない人材だと考えられている自己認識を持つ必要があるのだが、この認識に立っている人は極めて少ないのが現実だ。

運良く、初回の雇用調整では逃げ延びたとしても、次回の雇用調整の場面では、確実に「悪い人材」としてエントリーされ、いの一番に「肩たたき」の対象とされてふるい落とされていく運命が待っている。

わが社の雇用調整も終り、これで首がつながったとホットしていてはいけない。
これからの“平和時の闘い”、即ち、「ローパフォーマー・リストラ時代」の到来している現在が、サラリーマンの真のサバイバル・ゲームの幕開けなのだ。

とにもかくにも先ず自分が一体、どの様に会社から評価されているのか、どのような期待のされ方をしているのかを、一度ジックリと考えてみて欲しい。

自分の人事評価には無頓着、上司の自分に対する期待値が分からない、ではとてもこれからの時代に会社で生き残っていくことは困難であろう。

もっとも、人事評価をベースにした選別が難しいケースもある。

撤退事業に所属する事業部の社員、または閉鎖工場・閉鎖店・統合閉鎖研究所等に勤務する社員の場合がこれだ。

ウンもスウもありはしない。

転勤に応じられるかどうか。 応じられないのなら生き残れはしない。
職種転換に応じられるかどうか。

この場合も、応じないのであれば「不要の人材」。
出向に応じて、異なる業種・異なる職種でゼロベースから働くことを決断できるかどうか。 決断出来なければ、「リストラ対象者」。

外資系の会社の場合はもっと凄い。
本国の決定一つで、縮小・撤退が決められてくる。

日本法人としての採算性は二の次に置かれ、本社の株主総会で、「日本法人の工場を一箇所にする」と、経営陣が株主に約束したから、「何が何でも日本にある二つの工場のうちの一つを何年何月何日までに閉鎖しろ!」と日本法人の経営陣に命令が下ったケースもある。

経営状況が思わしくない日本のメーカーであった会社が、ある日、外資系の会社に買収された後に起こったのだ。

買収された当初、社員は労働条件が悪くならず、雇用も維持されることになってホット一安心した。 それもつかの間、2年もたたないうちに「工場閉鎖」という悲劇が襲った。

人事評価の良し悪しという次元の問題ではないのだ。
有能な社員も含めて一網打尽に、工場ともども“轟沈”という図式だ。

自分が勤める会社が、外資系に鞍替えされたら、自分が属している部署の損益や日本法人全体の経営状況の把握も大事だが、グローバルの動向にも常に神経を払っていかなければならないと言えよう。

それはそうと日本企業の場合、一般的には“優秀な人材”だけは残したい、除外したいと考えるが、現実の状況の中ではそううまくはいかないのが常だ。

“残したい、残ってもらいたい社員”は会社に残らず、“残ってもらいたくはない社員”が他の部署で生き残りたい、会社の看板にぶら下がりたい、と言って会社を辞めないのが多くの企業の現場で起こる現実だ。

未経験の職種への転換、遠隔地への単身赴任、閑職への異動、関係子会社への出向・転籍、海外工場への配置転換等の可能性を伝達する「内示」等の人事権の発動を匂わされながらの、「辞めさせたい」「辞めたくない・辞められない」の攻防が会社と社員との間で展開されるケースが多い。

だが、この種の攻防で“特段の策”をあらかじめ講じておかなければ、社員が「克つ」ケースはほとんどない。

自分の周りで起きている変化や兆しを、感性鋭くキャッチできる社員だけが、あらかじめ配置転換を申し出たり、関係会社出向の道を自ら手を上げて選択したり、「早期退職優遇制度」や「転進支援制度」の導入・実施を捉えて、「待ってました!」とばかりにいち早く応募・利用したりして、自助努力して自分の身を要領よく守っていくのが実情だ。

「井の中の蛙」というような「壊れたレーダー人材」では、「負け組サラリーマン」の道を歩むことにもなりかねない。

“固定観念”と“古びた経験則”に縛られ、“権威と権限”だけに頼って仕事を進めていく人材には、過激なスピードと変化に対応しきれる力はなく、ましてや“柔軟な企画力・課題解形成・解決力”、ひいては“人材育成力”、“統率力”など到底期待し得るものではない。 いち早く「不要な人材候補」としてエントリーされていくだけだ。

「克つ! サラリーマン」は、おしなべて“鈍感”でもなく、“太平を貪る楽天家”でもない。 ましてや同じ地域の人や同じ考え方・価値観を共有する人達と、“メダカの学校のクラスメイト”のように群れて、群れマックって、“ゆでガエル族”のような“惰性家”でもない。

「部長による面談を先週受けましたが、希望退職に応募するのも選択肢の一つだと思うよ、と言われたんですよ。 私の仕事は生産管理の仕事をしているのですが、入社以来、この仕事で31年になるんです。 来年の1月でもう54才ですよ。 どうやら今回の間接人員の削減の、対象社員の一人になっているようなんですよ。 先生はどう思われますか?」

相談に乗るキャリア・カウンセラー:「そうですねえ、あなたの上司のアドバイスとして言われたことなのではないでしょうか。 この際、もっと広い視野でこれからの職業人生に想いをめぐらせてはという、あくまでも助言なのではないですか?」

課長代理:「イヤ、私には、この会社ではお前のポジションは無いよ、と言われたように感じたのですがねえ。」

「私は定年までこの会社で働いていきたいのですが、もし仮に、仮にですよ、希望退職に応募して再就職支援会社に頼めば、仕事が見つかるんでしょうかねェ?」

ある製造メーカーにおける「キャリア相談室」の一室で、こう切り出す課長代理。

キャリア・カウンセラー:「仕事が見つからないと言うわけではないですよ。 でもネ、再就職支援会社におんぶに抱っこ状態で、あなた自身が全く努力しないで、ただ支援会社の人たちが探してくる求人案件を待っているだけでは、そりゃあ先行きが暗くなる可能性が高いですよ。」

「あなた自身、どういう“強み”を武器にして、こんな仕事に就きたい、年収は最低これぐらい欲しい、とか、通勤時間はこの時間以内でとか、はっきりとした仕様書、ウン、スペックをですよ、再就職支援会社の担当者に先ず伝えて話し合ってみることが大切なのですよ。 そして目標が決まったら、あなた自身も、一生懸命になって探していかなければ、人より早く仕事を見つけることは困難でしょうねえ。」

課長代理:「そうですか…、厳しいですねえ…。 私はこれまで経験した仕事の延長線上の仕事に就きたいと思っているんですがね。 その他の仕事といっても、私に出来る仕事はないと思うんですよ。」

カウンセラー:「なるほど、これまでのキャリアを活かすことが出来る仕事に就きたいということですね?」

課長代理:「ハイ、そうですね。 給料はどうせ今現在もらっている額よりかなり下がることは覚悟しているんですが、それよりも何よりも、余り空白期間を置かないで、再就職したいというのが強い希望なんですよ。」

カウンセラー:「ウンウン、なるほど……」

課長代理:「それともう一つの希望は、今は通勤時間は車で約5分なので、通勤時間が30分以上かかるところは敬遠したいのですよ。 やはり30分以内のところに就職したいんですよ。」

カウンセラー:「………、あなた、いいですか? 通勤時間が車で30分以内の会社に就職したいと言うことですが、30分以内のところに、会社は何社あると思っているんですか? ほとんど無いじゃあないですか。 御社以外は、住宅地じゃないですか。」

これが、群れマックって、“ゆでガエル族”のような“惰性家”の典型的な実例だ。

地元の有名企業に就職して、これまで何不自由なく会社と自宅の近距離往復をしながら、何十年となく「無風状態」でサラリーマンとして仕事に就いてきたという「極めて狭い世界」に安住してくると、世の中の常識さえ見えなくなっている人が意外に多いのには驚かされる。

「転勤のない会社ということだけで、本社工場がこの地域に在った会社に入社したんですけどねえ……。 47才になって、こんな苦労をするとは思いませんでしたよ。 あと60才になるまでに、まだ13年もあるんですよ。 13年は長いですよ……」

製造工場の設備保全業務を担当していて、今回の人員削減の対象とされた係長が、カウンセラーに“嘆き節”を聞かせている。

よくあるこのようなケースから浮かび上がってくるのは、キャリアのスタート時点から「蛸壺(たこつぼ)職業人生」を目指していたのだから、“太平を貪る楽天家”になったり、“鈍感サラリーマン”になるのは至極当然で、だから「克つサラリーマン」になれるわけが無いのだ。

“志が貧しくないサラリーマン”達だけが「克つ」のだ。
“準備周到なサラリーマン”だけが「克」ち残っていくのだ。

“鋭敏なレーダーを使っての情報収集”は普段から怠らない。
“己を磨く”ことに貪欲。
“社内外の、そして自分とは異質な人脈”も持っている。

そして“変化や兆し”に嗅覚鋭く対応していく“柔軟な発想回路”と“決断力と行動力”を持っている。

さて、あなたはどうだろう? 日常努力に抜かりはないだろうか?

さて、次に話しを進めよう。
「含み損社員」として顕在化するその他の手法として、「労務構成上の歪(ひずみ)の
是正」というものがある。

「労務構成上の歪の是正」とかっこよく表現されるが、早い話が「年令別の人員構成」というシロモノを言うだけのことだ。

各社に共通するのが、定期採用で採用人数が多い年、即ち、それ行けドンドンの時代に大量採用した年次の社員の数を減らして、理想に近い「ピラミッド型の年令別の社員構成」にしようと試みて、年令別にある一定数の社員を「含み損社員」として社外転進させていく手法だ。

一般的には、「団塊の世代」に属する社員と「バブル全盛期採用の世代」の社員がこれに該当して、労務構成上の、いわゆる「二つのラクダの瘤(こぶ)」が“外科手術対象”とされるのだ。

年令で言えば、58才(昭和21年:1946年生まれ)から55才(昭和24年:1949年生まれ)の「年令Aゾーン」の社員と30才(1974年生まれ)〜35才(1969年生まれ)の「年令Bゾーン」の社員達だ。

1964年の東京オリンピックが開催された時、「年令Aゾーン」の人達は15才〜18才の中高校生。「年令Bゾーン」の人達はまだ生まれていない人達から5才児までだった。

「年令Aゾーン」に属する世代は、日本が「所得倍増計画」の成功によって、高度経済成長をとげながら「豊かさ」を必死で追いかけ、中産階級意識をもって手に入れた「豊かさ」を享受し始めていた頃に青春時代を過ごした世代でもある。

同時に、必死の努力や研鑚をした人も、「サラリーマンは気楽な商売」と「手抜き・怠け・ゆとりボケ」した人も、年功型賃金体系に支えられた上での大幅なベースアップと多額のボーナスを手にした「甘い体験」をしてきた世代でもある。

世の中は移り変り、今日、人件費削減の嵐と共に、「雇用調整対象の主人公」というステージで、「不安」というバックミュージックに躍らされている世代なのだ。

「定年」というゴールは、近いようで未だ遠いと密かにため息をついてみたり、ハッピーリタイアを遂げている先輩達を羨ましく感じてもいる。

「ああー、何故もう少し早く生まれてこなかったのだろう…」
本音の嘆きが聞こえてくる。

個人の生活では「豊かさ」を追求し、企業人たるサラリーマンとしては、企業の拡大成長路線の先兵として「売上高の更なるアップ」を追い求めさせられてきた自分達が、現在では、給与の割には企業業績貢献度合が少ないと言われて、「燃費の悪い元高級車」扱いにされている。

属している世代によって、雇用に関る「危険指数」が異なっているのも事実だ。
「団塊の世代」に属する社員と「バブル全盛期採用の世代」の社員、会社が雇用調整をする場合、一番先に目をつける社員層だ。

それにもかかわらず、「ゆで蛙」のように皆で「ゆであがる」のでは?と思うぐらい、危機意識のない人達が意外に多い。

さて、あなたはどの世代に属しているのだろう?

会社による「雇用調整」の対象にされやすいのは、何も「人事評価」や「年令」だけではない。
業種によっても少し異なるが、その企業の“儲け頭”以外の間接部門に属する社員も危険度は決して低くはない。

検査部門、品質管理部門、物流部門、総務・庶務部門、経理部門、設備保全部門等が目をつけられるケースが多い。 業務受託会社や人材派遣会社等に業務委託可能なセクションに所属しているサラリーマンは、特に要注意だ。

これらの部署に配属されていて、なお且つ、「年令因子」や「人事評価因子」が“正常値”でなければ、「不要な人材」という“発生率”は俄然高まってくる。

また近頃は、正社員と人材派遣社員との比率を重視し、正社員比率を少数にして、コスト改善の一助にする企業が多くなっている。
あなたと同一職場に、派遣社員が働くようになったら、要注意だ。

要は、代替可能な職種すべてが危険指数が高いのだ。

また一方、一部のメーカー等では、正社員のスキルより、派遣社員のスキルの方が上であるという逆転現象が起こり、スキルの低い正社員が「含み損社員」の中に組み入れられて、「雇用調整」の対象にされてもいる。

某有名電気メーカーの人事部長曰く、「イヤー、彼を何故“C評価人材”としたかといいますとねえ…製造ラインの今のスピードについていけないのですよ。 派遣社員の方がよっぽど早く対応するんですよ。 元組合役員何ですがね。 組合からは何とかしろと言われているんですがね。 どうにも現場の係長の判断としては“使えないよお”ってんですよ。 全く頭が痛いですよ。」

「一緒の職場にいる派遣社員」の存在を軽視しては、これまた危険指数が高いといえる。

正社員同士の競争の他に、新たな「キャリアの脅威」として、派遣社員との闘いが始まっていることを知っておくことだ。

会社による「雇用調整」の対象にされやすいのは、「人事評価」や「年令」、そして“儲け頭”以外の間接部門に属する社員の他にも、「心身共の健康度合い」が登場してくるのだ。

人員削減を主目的とする雇用調整が終った各職場においては、在籍する社員一人ひとりにかかる仕事のボリュームが増大するのが常だ。
少ない人員で、これまで以上の仕事量を、より効率的に遂行していくことが当然にして求められていく。

このミッションを果たしていく為には、虚弱体質の心身では「克つ、サラリーマン!」の仲間には入れない。

年中休みがちの人材では、どんなにパフォーマンスが高くとも「役に立たない人材」という烙印を押されていく。

「あれーっ! 何で彼女がリストラ対象になってるんだ?」
人事課長が、人事課主任に向かって、素っとん狂な声をあげた。

食品メーカーの人事部門内会議室での一幕である。

「何ででしょうね?彼女は去年の人事評価は、半期半期では、「B」と「A」。
エーと…今年はやはり上期が「B」評価で、下期では「A」評価をとっていますねえ…。
何故でしょうねえ?」
人事課主任も首をかしげている。

「そうだ! 彼女は乳がんの手術をしたよねえ。 その時の出勤率が影響してリストラ対象にピックアップされたんじゃあないの? 交替勤務継続には無理という理由でね。」と人事課長が思いついたように話した。

「彼女の元の上司が『C評価』としたんだろう? 今の新任の課長はそれとは知らず、彼女がリストラ対象にピックアップされているもんだから、一生懸命に社外転進させようと説得しているわけだ。 何てことだ!」
うめくように人事部長がつぶやく…。

「どうしたら良いでしょうね?」と人事課長が人事部長にお伺いを立てている。

「彼女の今の健康状態はどうなんだ?」と人事部長が人事課主任に尋ねた。

「今は、2週間に1度の割合で通院しているそうですが、仕事は元気にこなしているようですし、相変わらず手早い仕事振りだそうです。 ハイ。 それに手術後は欠勤ゼロで頑張っているそうです。」…と人事課主任の報告。

「現場の課長に指示してくれ。 リストラ対象から彼女を外すようにってネ。 このような仕事が出来る社員までを、単なる過去の一時期の出勤率だけで対象者にしてはいけないよ。 これに似たケースは、他にもあるんだろうねえ…。」
人事部長の沈んだ声…。

この実例では、幸いにしてこの上司社員は間一髪のところで救われはしたが、一般的には、有給休暇の取得日数の多い社員や、出勤率の悪い社員は「仕事に熱心ではない」とし判断する企業が多いことを胆に命じておくべきだ。