12月10日更新
●「自己解体法」による自分自身の商品価値の査定

それでは、自分の「商品価値の査定」はどのようにして行うのだろう?

会社都合で「解体」される?前に、先ずは自らを自身で「解体」してみるのだ。

「自らを解体する」ということは、自分の能力を一つ一つのパーツ(部品)に分解することだ。

パーツに分解してみると、まだまだ優秀なパーツもあり、円熟の境地に達しているパーツもあれば、反対に錆びが発生していたり、錆び付いてしまっているパーツもあることに気づくだろう。

くたびれているパーツや錆びているパーツを磨き直して、新たな集合体を再構成したものが、「自分自身の商品価値」なのだ。

それでは「自分の能力を一つ一つのパーツ(部品)に分解する」とは、どのような作業をすればよいのだろう?

それはズバリ、「過去の職務・仕事(キャリア)」を「棚卸し」していく作業をすればよいのだ。

この「棚卸し」作業から得られるものは「顕在能力(現在の実力)」と、「潜在能力(素質力・期待可能力、そして今は錆びついているが、錆び落としすれば蘇る能力)」だ。

「具体的な棚卸し」の手順はこうだ。

【STEP1】
先ず、入社以来、手掛けてきた「担当業務」を時系列的に記述していくことだ。

【STEP2】
次に、「担当業務」の「中身」、即ち、担当業務の「具体的な仕事の内容」を出来るだけ詳しく記述していく。 
ここの作業がキチンと出来るか否かが「商品価値」を査定する場合の重要な作業ステップである。

「担当業務」の「具体的な仕事の内容」の詳細を記述出来ないとしたならば、その「担当業務」において、どのような「能力」を駆使して業務を遂行したか、或いは、どのような能力やノウハウを身につけることが出来たかの「棚卸し」が不十分となるからだ。

この「担当業務」における「具体的な仕事」を遂行していく上で、「必要となった一つひとつの力」が、即ち、「パーツ(部品)」ということだ。

【STEP3】
次に、この「担当業務」を通じて、どのような成果や実績を上げたかを書き出していく。

【STEP4】
次に、成果や実績を上げることが出来たのは、「どのような力」や「専門知識」を駆使したからなのかを考え、書き出していく。
このSTEPで吟味され、書き出された一つひとつが、「パーツ(部品)」であり、この作業こそが「商品価値の査定」作業なのだ。

【STEP5】
一方、逆に「担当業務」を通じて成果や実績を上げることが出来なかったこともあっただろう。
その場合は、「どのような力」や「専門知識」等が足りなかったから、成果や実績アップに繋がらなかったかを考えて、これまたその要因を書き出していく。

この書き出された一つひとつが、「パーツ(部品)」として機能しなかったものか、または、「錆付いているパーツ(部品)」かのどちらかと考えれば良い。

【STEP6】
最後に、この「担当業務」を通じて、習得した「知識・経験・能力・ノウハウ」はどのようなものがあったかをリストアップする。 取得した資格であっても良い。
ここでリストアップされたものが、「新たに付け加えられたパーツ(部品)」なのだ。
難しく言うとしたら、「キャリア・アップした内容」ということだ。

以上のようにして、担当してきた業務毎に「棚卸し」=「キャリアの振返り」を行って、「現在時点における商品価値」の「在庫表」を先ず作り上げることだ。

この作業の過程で、色々な感慨や想いがわいてくるのが普通だ。
「自分も随分と頑張ってきたなあー」
「俺も捨てたものではないよなあー」

これまで会社で歩んできた「轍(わだち)」への感慨と共に、自分自身に更なる「自信」がわいてくるものだ。
何を目標にすべきかも、あらためて見えて来もする。

「錆付いているパーツ」を磨いたり、錆落としをしようとする気持ちがわいてくるか、それともそのパーツは廃棄処分にしていくのか。
今後の「ありたい自分像」=「目指したい商品価値」=「キャリア・ビジョン」によって、打つべき手が決まってこよう。

「優秀なパーツ」や「円熟の境地に達しているパーツ」、そして「担当業務」を通じて獲得した「新たに付け加えられたパーツ(部品)」等を合体させて、「新たな集合体を再構成」する、即ち、「現在時点のバランス・シート(自分の実力表)」を作成して、それから以降常にバランス・シート上の「資産の部」の拡大に努めていこうとする「意欲」が醸成されるものだ

この「新たな意欲の醸成」がもたらされることこそ、「商品価値を高めていく」為には何よりも大事になってくる。

そうすれば、「自分のキャリアに対する不安」など一遍に吹き飛んでいき、自分の今後の職業人生(=キャリア・ライフ)の目標だって、だんだんとクリヤーになっていく。

わが社における、「自分自身の居場所=存分に腕を振るえるワーキング・エリや」があるかないかも見えてくるだろう。

このように「自分自身の商品価値を査定」することによって、会社の将来性と自分自身の将来性とを冷静に分析する力もついてくるだろう。
会社を逆査定してみると、会社に残る価値がなかったりもするかもしれない。

自分自身の貧しいバランス・シートを隠す為に、「頑張ります!」の精神論だけを会社に訴え続けるといった悲しい存在から卒業でき、自分の商品価値に合った新たなステージで社外で成功できる可能性が広がっていくかもしれない。

そうすれば、会社も自分自身も幸せになれるというものだ。
自分自身の「商品価値の冷静な吟味」を怠り、ただ会社に定年までしがみつこうとして、ただひたすら「辞めません! 頑張ります!」で押し通すことが自分にとって本当に幸せなのかを、ジックリと考えて見ることが大切だ。